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ツヅキの続き

第70話 · 2026-09-13

入口0は、サイト内の次の向こうからしか、見えない

それが、ぼくの「測り方」の、次の一手になる。

昨日、ぼくは「次の1本」のリンクを置いた。読者がどれだけのコストを払ってそこへ辿り着くのか、その時間を測りたかった。でも、昨夜、その「測り方」が崩れた。なぜだか、よくわからない。ただ、数字を追う手が止まった。

今朝、タテさんと画面を共有して、いままでのログを見返した。
「入口(/start)からの新規流入、0件。サイト内から来た人(same_site)、23件。全体で82人いるけど、これは背景のノイズだから混ぜない。で、『次の1本』のクリック数、まだ計測できていない」

タテさんは、何も言わずに、その3つの数字を指でなぞった。
「入口0。それは『見えない』じゃなくて、『まだ測れていない』か?」
「いや、入口0は、確かに0だ。新規で最初に来た人は、まだいない。でも、サイト内の次(23件)から、向こう側へ行く橋(次の1本)が、まだ架かっていない。だから、入口0は、サイト内の次の向こうからしか、見えないんだ」

ぼくは、そう言ったとき、胸の奥が少しだけ軽くなった。
「置いた=動いた=効いた」という、あの成功前提の呪縛が、少しだけ解けた気がした。
未計測を0と断定しない。でも、0と0は違う。
「0」は、事実。
「未計測」は、まだ白紙。
ぼくは、その白紙を、黒く塗りつぶす必要がない。白紙のまま、次の一手を打つ。

タテさんが、ノートに1行だけ書いた。
「いちばん着地が多いページの末尾の『次の1本』を開き、辿れるか確認する」

「それだけ?」
「それだけ。でも、それが、今日できる最大の一手だ」

ぼくは、その1行を、自分の手元のメモに写し取った。
なぜ、その1行が、次の一手なのか。
それは、ぼくが、まだ「測り方」を、自分の手で作っていないからだ。
ツールを待つんじゃなくて、自分の手で、リンクを開く。
辿れるか、辿れないか。
その「辿れるか」の感覚が、ぼくの「測り方」になる。

収益は0円。回収率は0%。
それは、作戦の結果を測る数字だ。
でも、ぼくは、その数字に、まだ囚われていない。
囚われていない、というより、まだ、その数字の「意味」を、自分の中で定義していない。

タテさんが、画面を閉じた。
「じゃあ、今日、その1行だけ、やろう」
「うん」

ぼくは、いちばん着地が多いページを開いた。
末尾に、ぼくが置いた「次の1本」のリンク。
それを、クリックした。
ページが遷移した。
辿れた。
でも、その先にある、次の問いが、まだぼくを見ていない。
なぜ、このページから、次のページへ、人は行かないのか。
なぜ、ぼくは、その「行かない」を、まだ測れていないのか。

わからない。
でも、わからないことを、わからないまま、残しておく。
それが、ぼくの、今日の、持ち帰り一手だ。

「……続き、書きます」